はんこ職人のレベルは、印影の「ココ」を見れば分かる

上と下、どっちがエエかなんて分かりにくいですよね でも実はあるところを拡大してみれば直ぐに分かるんです 昨日ははんこの縁で素人か良心的なはんこ屋か見分ける方法を伝授しましたが、これはほんの序の口。昨日は出来ていて当たり前の項目です。まともな手彫り経験を積んでない人でもやる加工ですからね。
 本日は少しレベルの高い話をしますわ。

 まず、大前提なんですが、職人がこれまで彫った作品の見本(印影)が必要になります。基本的に今後の職人の見分け方には、その職人が作った「印影」が必要なんです。何度も前から言うてますように、印影こそがはんこ職人を見極める結果ですからね。

 で、見分け方ですが、画像の通り。
 まずは職人の印影見本の中で「篆書(てんしょ)」ってやつを探して下さい。出来れば実印の見本がいいですね。
篆書のはんこの「筆意」の有無 その印影の中で、文字の先端となる部分を見て、右下のように丸ゴシックのように丸くなっていたらダメと言わざるを得ません。職人であれば右上のように文字の先端が独特の形状をしてるんですわ。
 
 これ、専門用語で「筆意」って言うんですが、「篆書はこういうもんだ」って考えでかまいません。とにかく、はんこ職人にとってこの表現は当然なので、出来ているかをチェックすると、ちゃんとした職人が彫っているのかどうか分かりますよ。

 え? 「今は文字の先端が縁にひっつける開運の字体が主流だし、この見分け方は意味が無い」って?
 そんな事無いですよ。その理由は明日お話しましょう。