「本物にふさわしい」印章の条件

「本物」の印章は、全て『三つの条件』が満たされています
野田守拙

世界に一つだけの「自分の証」となる印章。本物にふさわしいと言える印章には、例外なく「三つの条件」が満たされています。
ここでは、私の印章の特徴として、その三つの条件についての解説をさせていただきます

>>職人としての私の実績はこちら

条件「一」、印影が「世界でただ一つ」である事。

 当然ではありますが、自分の「証」として、世界に二つとない印影であることが最低条件です。
もし、同姓同名の実印の注文が二回あったとしても、異なる印影デザインで彫刻するのは当然の事です。
しかし、「当然」の一言で終わらせると不安に感じる方もいると思いますので、私の印章について一例を挙げたいと思います。

「坂本龍馬」の実印見本

上の印影は「坂本龍馬」の実印イメージです。右と左の印影を比べて見て下さい。「坂」「本」「龍」「馬」、全ての文字のデザインを変えています。このように同じ名前でもデザインを変えて「世界に一つ」を保つのが、本物の最低条件です。

印影見本「首都」

「鈴木」や「田中」など、これまで何十何百と彫ってきた銀行印は、上の印影ほど露骨な違いは出せない場合も多々あります。しかしそれでも、右の印影(一定時間で印影が変化してゆきます)のように微妙にデザインを変えて彫っています。これまで同じ名前のはんこは数え切れないほど彫っていますが、すべて微妙な変化をつけたもので、同じ物を他人に渡すなどと言うことは職人のプライドとして出来ないものなのです。

「手彫り」であることは条件ではありません

 実は「手彫り」は「世界に一つ」という意味での条件としては適切とはいえません。私を含め、ほとんどの手彫り職人が彫刻に機械を用いており、業界で「手彫り=機械不使用」と基準を定められない。つまり、有名無実化してるからなんです。(その理由を見る)

ただし、手彫りの経験や技術は後述の条件で必要となります。「手彫り」と言う言葉ではなく、職人が手彫りで培った「技術」を見極める事が重要になります(この方法も後述します)

条件「二」、長持ちする「耐久性」を持つこと。

 これも常識ともいえる条件でしょう。一生ものの印章を手に入れても、直ぐに欠けてしまっては意味がありません。
では、その「欠けにくい」為の条件とは、何でしょうか…?

「材質が硬い」だけでは条件は満たしません

 「素材が硬ければ欠けにくい」と思われている方が多いようですが、そうとは限りません。
縁の細い認印左の写真を見てください。縁がとても細く、ちょっとした事で欠けてしまいそうです。
これは既成の認印ですが、実印や銀行印でこのように縁を細く彫ってしまっては、全く価値のないものになってしまいます

実は、職人のはんこは欠けにくくするために一つの共通した条件があります。それが「縁の仕上げ」です。
捺印する印影の縁は細い方が美しいのですが、かといって縁を細く彫ると耐久性が悪くなってしまいます。

はんこの縁の太さの比較

そのため「印影の縁は細く、実際の縁は太く」を実現するために、職人のはんこは例外なく、上の画像の右のように縁の両端を削るのです。
もちろん、私の印章も例外ではありません。右のように縁の両端を削り取り、「丈夫な状態」として貴方の元にお届けいたします。

条件「三」、他人から見て「美しい印影」である事

「福澤諭吉」の印影 実はこれが、印章として最も重要な要素となります。
もちろん、ご自身が満足される事も重要です。しかし、自分の「証」として他人に見られる以上、その印影が他人にも高く評価されるに越した事がありません。
この「印影の美しさ」が、最も価値ある「本物」の証となるのです。

「他人」がわざわざ自分の印影を値踏みするの?

 もし、「印影なんて良く分からないし、他人がわざわざ自分の印影をまじまじ見るとは思えない」と思ってたら、それは大きな誤りです。なぜなら、自分の印影を見る「他人(印鑑登録担当者・銀行員・不動産屋…etc)」は、大抵 多数の印影を見て目が肥えた人だからです。  続きを読む ≫

 貴方が思う以上に印影の出来というのはチェックされます。実際に当店でもこのようなケースがあるんです。

  • 「仕事で格上の方と契約を交わした際『言っとくけどその実印、安物って丸分かりだから作り直したほうが良いよ』って言われた」(他店で実印を作られたお客様)
  • 「司法書士さんにはんこを渡したんですが、『ほぅ、これは良いところで作られましたな』と言われました」(当店で法人印を作られたお客様)

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守拙の印影見本

この「美しい印影」を生み出すのが、職人としての手彫りの技術・経験になります。
私の作品についても、全体的なバランス、線の緩やかさなど、多くの印影を見てきた「目の肥えた玄人」を納得させるものとして、多くの方に支持していただいております。

篆書体・実印の印面
右の画像は、私の作品が支持されている根拠の一つです。この印面は「風林火山」と彫られた印章であり、上が私の作品、下は技術の無い方の作品なんですが「林」の右下のデザインが全く異なる事がわかります。
この絶妙な曲線美は手彫りの経験のあるものしか出せません。(その根拠を見る)
このような些細な違いこそが、目の肥えた方たちにとって大きな違いとなって判断されるのです。

もし、貴方が今、実印や銀行印をお求めであれば、「本物」の印章である当店でお求めいただく事をお勧めします。

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