「手彫り」は不要なの?

 確かに印章の「手彫り」は「機械不使用」と定められておらず、「手彫り」にこだわる必要はないのですが、手彫りの経験そのものは非常に重要です。
手彫りの工程  その根拠が、右の画像になります。手彫りを経験していない者は、文字を線としか認識してないため、印影をデザインする際に、細い線を並べてそれをコンピューターで自動で太くして終了してしまいます。

 これに対し、手彫り経験者は手彫りの際に線の外側(画像の黄色い部分)を彫ります。つまり、「文字は線」ではなく「文字は面積」という認識を持っているのです。ですから機械を使っても、手彫りと同様に絶妙な曲線を用いたデザインが出来ます。

 印章独特の篆書(てんしょ)と言う文字の先端を見ることで、手彫りの技術と経験を持っているか否かが簡単に分かります。それは貴方に相応しい印章職人であるか否かでもあるんです。

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